零式艦上戦闘機52型 サイパン 8-13 製作過程

 まず、内側にブラックを塗装した。 これはシルバーの発色を良くするためと透けを防止するため。 またグラデーションをかけるためでもある。 三菱系コクピット色を加減をみながら塗装した状態。
 シルバーと青竹色を塗装した状態。 この時期は無塗装というか、腐食対策をしていなかった可能性がある。 コクピットも青竹色や無塗装部分が多かったに違いない。
 操縦桿の前の台形の穴のモールドは全スケールをとおしてこのキットが初の再現。 現存機を取材した成果がいかされている。 今回はセオリー通りに三菱系コクピット色を塗装している。グラデーションをかけるだけでも雰囲気が違ってくる。
 素組みでもこれだけの精密感がある。 塗装は説明書の指示にしたがっている。現存機を取材しているのでかなり信頼できるものだろう。最近の研究とも合致する。 無線などの制御ボックスが濃緑色なのは新鮮に感じる。わかっていても黒色にしていたからね。たしかに自衛隊でも黒色じゃないもんね。
 動翼はヒンジによって可動するが、そのヒンジだけを接着するのは意外と難しい。後から差し込めるようになっているのはとても良い。さすがタミヤと思わせる設計だ。
 このようにバネを仕込む箇所もあるが、予備のバネは同胞されていないので失くしたら大変。 自分は飛ばしてしまい、部屋を這いつくばって必死にさがした。 どうして予備が入ってないのか、タミヤらしくない。
 組み付けた脚カバーはブラブラして破損してしまうおそれがあるので、製作中はテープで仮固定しておいた。
 こんなよく見ないとわからないところまで再現されていたりする。
 翼と胴体を組み付けた状態。 翼と胴体はかみ合い確実に固定されるように設計されている。翼や胴体は歪まないように組んでいないと隙間ができるどころか、きちんと組み立てることが出来ないので注意したい。
 エンジンはブラックで塗装してシルバーでドライブラシした。 実機は耐熱ブラック一色。
 エンジンユニットを組んだ状態。 これだけでもディスプレイしたくなるほどの完成度だ。 製作時はディティールアップパーツなどまだ無かったのでそのまま製作している。コード類を追加するだけで十分だろう。
 キャノピーマスキングも付属している。 自分で切り離すタイプだが、貼りやすさ、貼り心地、フィット感、はがし易さなど今まで使用したなかでは一番使いやすいと感じた。
 塗装にはいる。まずはラッカー系のシルバーを塗装した。 塗膜のはがれ表現はシルバーを書き込んでいく方法があるが、今回は実際にはがす方法を採ることにした。 (シルバーは染料の染み出しを抑える効果が高い。まぁ、スケールモデルは赤や青の成形色というのはほとんどないが。)
 とりあえずすべてシルバーで塗装しておく。 シルバーを塗装したらクリアーでコートしておいた。
 次にタミヤアクリルのハルレッドを塗装した。ムラがあってもかまわない。厚塗りしないように心がけた。 この段階は腐食防止の下塗りを再現したもの。このプライマーの色は成分からくるものらしいので現在のものとほとんど変わらないらしい。 この他にもいろいろなプライマーが使用されていたようだ。
 次に下面色を塗装。特に調色はしていない。タミヤアクリルの灰緑色をそのまま使用。 パネルごとに調子をつけて塗装していく。
 少し明るめに調色してグラデーションをかける。 脚庫も下面色を塗装している。青竹色というイメージが強いが、後期は下面色で塗られていたことが多かったそうだ。脚カバー内側も同じ。フラップ内も下面色だった可能性もある。
 アップにするとこんな感じ。この色は発売当初からおかしいといわれ続けてきたが、研究の結果、今はかなり近い色調だと認識されるようになった。
 上面はタミヤアクリルの暗緑色をまず塗装。ムラになっても気にしない。
 次に暗緑色に濃緑職や明るいグリーンを混色した色でグラデーションをかける。
 次にライトグレーを混色した色で退色表現を加えた。黄色を混色した色も塗装している。
 塗装が済んだら耐水ペーパーや針、カッターの刃、研磨用のスチールウールなどを使用して下地のシルバーを露出させた。プライマーの露出加減が難しかった。耐水ペーパーのかけ具合でさらに細かなグラデーションを再現した。
 カウリングはブラックを塗装してからブルーグレーでグラデーションをかけている。 はがれ表現は胴体や翼と同様。
 垂直尾翼は別に塗装してから組み付けているが、これは驚異的に合いの良いタミヤならでは。 アンチグレアやキャノピーフレームの内側は黒色だそうだ。コクピット色ではないのだ。そのように塗られている作品は多いけどね。自分もこの作品から黒色にしている。 ヘッドレストの革の部分も黒色。模型的には茶色でもいいと思う。
 この時点で脚を組み付けてしまった。格納できるので製作上問題はない。 下面もペーパーをかけて下地を露出させている。
 国籍マークや注意書き、味方識別帯は塗装ではなく、キット付属のデカールを使用している。 他の部分にあわせ、デカールの上からグラデーションをかけた。
 エンジンも組み込み、ほぼ完成。